
Cut


カットとは
ダイヤモンドのカットは、形状(ラウンド、ハート、楕円形、マーキス、ペアなど)のことだと勘違いが多くおこりますが、実際はダイヤモンドのファセット(切子面)が光といかに良い相互作用を持つかを評価するものです。
ダイヤモンドは石のバランス、対称性および研磨が揃って初めて見事な反射を生みます。
標準ラウンドブリリアントダイヤモンド(ダイヤモンドジュエリーの大部分を占める形状)のカットグレードを決めるために、GIAではダイヤモンドのフェースアップの外観に影響を与えるこれらのファセットの割合を計算します。
次のような望ましい視覚効果を生むために、ダイヤモンドが光とどううまく相互に作用するかを、GIAがこれらの割合によって評価することができます。
・輝き/明るさ
ダイヤモンドから反射される内部および外部の白色光
・ファイアー
虹のすべての色を見せる白色光の分散
・シンチレーション
ダイヤモンドが生成する輝きの量、およびダイヤモンド内の反射が
生み出す光と暗い領域のパターン
従来ダイヤモンドの評価はカラットやカラーが主流で最も注目されてきました。
しかし現在はカットを重視するという考え方も出てきており、重要さは高まってきています。
カットグレードの評価の方法は他のグレードに比べて複雑です。
ダイヤモンドのありとあらゆる部分を測定し、それぞれの長さの比率や角度をひとつひとつ評価し、最後に全ての評価を総合して一番低いグレードに合わせ、グレードを決定するという仕組みになっています。
例えば「長さはExcellent」「角度はVery Good」「テーブルの割合はGood」だと決まったダイヤモンドは「Good」になります。
さらに、コンビネーションで決まる部分もあります。
これはテーブル%とクラウン角度とパビリオン角度のバランスを見るものです。
3つがそれぞれExcellentであったとしても、コンビネーションで見た時にVery Goodと判定されることもあります。
Excellentカットとはそのような全ての項目でExcellentと判定され、一つとしてVeryGoodはなく、コンビネーションでもExcellentとなったものなのです。
また、カットグレードとカラットは表裏一体の関係にあり、ダイヤモンドは直径から理想的なプロポーションが機械的に決まり、それによってカラットも決まります。
GIAグレードにはありませんが、「ハート&キューピッド(H&C)」や、「ハートアンドアロー(H&A)」という表現もあります。これはダイヤモンドの対称性が特定の条件を備えたときにハートマークや矢印が見えるというものです。